私は本当の私なのだろうか。
自分とは一体どんな存在なのだろうか。
実際のところ今の自分が自分であって、そうでない自分が自分ではないとは言えないだろう。
どこでどう変わるか分からないし今の自分は未来では全く別の自分になっているかも知れない。
そうなった時に今の自分は本当に自分だったのだろうか。
未来の自分からすれば過去の自分に対してどう思うのだろうか。
今の自分から見て過去の自分は全く別の人間とまでは言わないが、それでも今の自分とは全然違うところもある。
それだけ変わったところもある。
しかし変わった前の自分のことは案外覚えていないものだ。
「そんな頃もあったな」
と思うくらいのものだ。
人間の過去なんてそんなものだ。
じっさい過去なんていうものはただの記憶でしかなくて幻想でもあるだろう。
自分がそう思い込んだ現実だけが残り、全く必要のないような過去の出来事は忘れてしまうもの。
そうやって自分の意識が過去を書き換えてしまうのに、その過去があたかも正しいものと考えてしまうのは間違っているだろう。
だから過去は過去でしかなくその過去はとても不確かなものだ。
そしてあるのは今しかない。
未来もまだ訪れておらず、どうなるかなんて誰にも分からない。
だから今しかないんだ。
今の自分が自分で一秒前の自分すらすでに過去の自分である。
それくらいのスピードで人は変化する。
この世の中は変化し続けているんだ。
それが良いとか悪いとかそういうことじゃなくてそれが現実だということ。
未来の自分を作るのは今の自分だ。
だけど今の自分がそのまま未来の自分として反映されるわけじゃない。
影響を及ぼすことは出来ても完全に反映されるわけじゃない。
だから未来はわからない。
だからこそ怖いし楽しいというものだろう。
未来が全て決められているのなら生きる意味はなくなってしまうだろう。
何をしても何をしなくても全く未来が同じだとしたら何もしなくても良いことになってしまうし、そんな決められたものに対して人間は意味を持たせることが出来ないだろう。
だからこそ未来はどうなるか分からないし分からなくて良い。
そして嫌なこともたくさんあるけど決められていないから良いんだ。
だから人はこの世に生きる意味を持たせることが出来るのだから。